読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

東野圭吾 「眠りの森」

バレエ団で起こった連続殺人事件。
それぞれの事件に関連はあるのか?犯人は?動機は?トリックは?
いわゆる推理小説です。

眠りの森 (講談社文庫)眠りの森 (講談社文庫)
(1992/04)
東野 圭吾

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今まで読むバレエといえばバレエ漫画かダンスマガジンみたいな雑誌ばっかりでしたが、バレエ団を舞台にした推理小説なんて、うまいこと考えたなーって思いました。
バレエ団といえば割合に閉鎖的な環境で、固定されたメンバーの中から犯人探しをするっていうのも推理小説の王道ですし、本作ではダンサーらしい独特なものの考え方なんかも動機に絡んできます。

それからヒロインの美緒が魅力的なダンサーです。
フロリナなんかを踊る若手実力派で、真面目で努力家で芯が強い。
可憐な姫系ながら、オディールなんかを踊っても不思議な魅力的がある、と。
なんかイメージ湧きません?

本作が発表されたのは今から20年も前のことのようですが、当時の国内のバレエ団事情が実によく取材されていて、(ミステリーにありがちな不自然さがないわけではないですが)バレエ団の描写はけっこうリアルだったと思います。

なお本作の主人公である加賀恭一郎刑事は、ほかの東野作品にも登場していて加賀恭一郎シリーズといわれているそうです。
「眠りの森」は妹から借りているものですが、シリーズのほかの作品も読んでみようかな。