読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

西村淳 「面白南極料理人」

たまには趣向を変えて。
エッセイ読みました。

その名も「面白南極料理人」。

タイトルに「面白」ってついてます。
カバーイラストは和田誠さん。
これで面白くなかったら詐欺でしょう。
ちなみに少し前に映画化されたそうで、その一こまでしょう。帯には堺雅人さん。


面白南極料理人 (新潮文庫)面白南極料理人 (新潮文庫)
(2004/09)
西村 淳

商品詳細を見る

南極観測隊ってどんな食事をしてるかご存知ですか?
その辺のアザラシを捕って食べてる? いつも飯盒炊爨でご飯炊いてる?
なんとなくそんなイメージだったんですけど、1年も過酷な自然の中で働くのに、それじゃ持ちません!

たとえばとある隊員の誕生日のメニューは
   ・牛もも肉のカルパッチョ
   ・鯛のロースト 香草風味
   ・スカンピのソテー ブラックオリーブ風味
   ・タンステーキ バルサミコソース
   ・ブルーチーズのラビオリ サワークリームソース
   ・ペペロンチーネ
   ・フェットチーネ
この日誕生日を迎えた隊員は、皆から「盆」と呼ばれる愛すべきキャラクターで、献立にも作る人(筆者)の愛が感じられるようで・・・全編を通して一番好きな献立です。

これだけのごちそうを作るのに、日本から何トンの冷凍食品が持込まれるか!
1年分ですよ。

ちなみに筆者たちが1年を過ごしたのは「文明社会」昭和基地ではなく、そこから1000キロも離れたドーム基地で、最低気温はマイナス80度近いとか。(昭和基地での最低がマイナス45度)
ペンギンどころかウイルスさえも死滅するような過酷な環境です。

そこでの濃い1年をともにしたのが9名のむくつけきオッサンたちで、半分が学者さん、残りがサポートスタッフ。
閉ざされた環境で、毎日毎日同じ顔ぶれで過ごすのもなかなかのストレスだと思います。

南極では1年の半分が闇に閉ざされています。
日の出も日の入りも、1年に1回だけ。
その、半年振りの日の出の写真が掲載されていました。
(どっかその辺で撮ってきた写真でもバレないくらい不鮮明なモノクロ写真でしたが)
その写真を見て、不覚にも泣きそうになりました。

そのほかは抱腹絶倒の面白本だったんですけどね。

こんなサイトありました。
南極基地NOW!! http://www.nipr.ac.jp/jare/now/index.html