帚木蓬生 「受命」
今回はちょっと路線を変えて、国際ミステリーみたいなのを読みました。
涙が止まらなくなったあの「閉鎖病棟 (新潮文庫)」の帚木蓬生さんの小説です。
受命 (角川文庫) (2009/09/25) 帚木 蓬生 商品詳細を見る |
それぞれの事情から別々に北朝鮮に渡った、日系ブラジル人で医師の津村、日本人の舞子、韓国人の寛順。
現地で彼らが出会った人々は、心の底にある小さな火を何十年も絶やさず、静かに燃やし続けて、歴史を揺るがす大事件を企てているのでした。
その出発点となった小さな炎というのが、たった一人の人物の生きる姿から始まったものであることを知ったとき、感動もしましたが大事件の行方も気になり緊張が高まります。
津村、舞子、寛順が再会するとき・・・!
登場人物では玉順ハルモニ、同満、朱光が特に魅力的。
津村、舞子、寛順は以前にブラジルで大事件に直面したとかで、それが「受精 (角川文庫))」という小説に書かれているということは、途中で知りました。
が、「受精」のほうを読んでいなくても。こちらだけで充分楽しめましたよ。
この小説はフィクションとのことですが、ある程度は取材に基づいて書かれた事実もあるでしょうから、そう思うと心が痛みます。