読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

警察小説競作 「決断」

この前の「決断」とセットで買ってました。
こちらも人気作家による短編小説集です。

決断―警察小説競作 (新潮文庫)決断―警察小説競作 (新潮文庫)
(2006/01)
新潮社

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逢坂剛 「昔なじみ」
ジリアンが誰か気になりましたけど・・・何か別の作品の後日談だったようで、そちらのほうの小説ではきっとジリアンも活躍しているのでしょう。
小悪党が活躍?する軽妙な感じのお話で、オチも面白かったです。

佐々木譲 「逸脱」
この前読んだ「笑う警官」のシリーズと同じく北海道警が舞台。
といっても札幌すすき野ではなく、どこか田舎の駐在所が舞台です。
ちょっと爽快だった「笑う警官」とはうってかわって最初から最後まで息苦しい雰囲気でしたが、あっと驚くラストが印象的でした。

柴田よしき 「大根の花」
前にOLさんが主人公の小説を読みましたが、眼差しがふんわり優しくて好きでした。
この作品も刑事さんが主人公ですが、優しい雰囲気でした。
作者は女性だったのですね。多分そうだろうな・・・と思いつつ、名前からは確信もてませんでした。
また何かこの人の小説も読んでみようかな。

戸梶圭太 「闇を駆け抜けろ」
狂った犯罪者たちが主人公の、めちゃくちゃ不条理な小説。
サイアク。なのになぜか疾走感がクセになって、読み始めたら最後まで一気に読みたい感じ。
インパクトが強く残りました。

貫井徳郎 「ストックホルムの埋み火」
この短編集の中で唯一、外国が舞台の警察小説。
文章も上手で読みやすく、ぐんぐん引き込まれますが、これから読まれる方は油断されないように。
ラストにあっと驚く種明かしがありますよ。

横山秀夫 「暗箱」
横山秀夫愛読者です。
この作品も、はめられて失敗するんじゃないかとハラハラしつつ、1人の警察官であり父親である主人公の背中にほろりとしたり。
「暗箱」とは警察が使う隠語で留置場のことだそうです。
でも世の中にはそれよりももっと酷い場所で耐えている人もいるんですねー。