今野敏 「ビート」
警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ、「リオ」、「朱夏」ときて「ビート」も読了。
ビート―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫) (2008/04) 今野 敏 商品詳細を見る |
捜査二課の捜査員・島崎とその息子・英次をめぐるお話で、最初は樋口も出てこないし、閉塞感や後ろめたさや腹立ちや怯えといった重苦しい感情が渦巻いているしで、正直苦しい。。と思いながら読んでいました。
けれどもいつの間にか完全に話に引き込まれ、特に英次の動向から目が離せなくなり、そのうち樋口も活躍しはじめ、氏家もちょっと顔を出してくれたし・・・結局夜中までかかって一気読み。
英次はニートっぽい青年ですが密かにダンスを志していて、ダンスに取り組んでいるシーンが爽やかでした。
特にラスト3分の1くらい、英次に対する島崎の心の動きに引き込まれ、最後は梅雨明けの空のように清清しくて感動しました。
面白かったです。
それにしても樋口の家庭は、重苦しい警察小説のなかで今どき笑えるくらいに円満でいい味出してますね。