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読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

小澤征爾 「ボクの音楽武者修行」

ラ・フォル・ジュルネでクラシックに浮かれていた今月前半、カバンに入れていたのが、世界のOZAWAこと指揮者の小澤征爾さんの「ボクの音楽武者修行」。
若き日の小澤青年が単身ヨーロッパに乗り込んで、スクーターで旅をしながら西洋の音楽を肌で感じ、指揮の腕を磨いていく様子が、実に生き生きと爽やかに描かれている本です。

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)
(2002/11)
小澤 征爾

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本の中で小澤青年は指揮のコンクールに優勝し、カラヤンバーンスタインといった偉大な指揮者について勉強をする機会を与えられるわけですが、有名人の自伝にありがちな苦労話も説教じみた話もなく、一種の飄々とした味わいさえ感じられました。
(職業的なもの書きによる文ではないですから、正直、最初は分かりにくいところがあったりして大丈夫か?と思いましたが)

未知の世界に踏み出すときの不安や希望や大いなる野心、郷愁、家族への思い・・・心の震えが伝わってきて、読んでいて何度も感動しました。

音楽やダンスなど、芸術を志す若い人が海外に渡るケースは今では珍しくないことですが、まだ日本人の海外渡航が一般的ではなかった時代にヨーロッパ、そしてのちにアメリカに渡り、世界を肌で感じた20代の青年の感動が瑞々しく綴られていて、これは若い人だけでなく、誰が読んでも青春を感じることができる本だと思います。
もちろん若い人にもおすすめ。

ちょうど今日の新聞に、ベルリン・フィルが年末のジルベスター・コンサートに小沢さんを招くと発表した、という記事が出ていました。
食道がんを患い、現在治療中である小澤さんの本格的な復帰の舞台となりそうです。