国本昭二 「サカロジー −金沢の坂」
前にも書いたことありますが、坂好き( = 坂女)の気があるわたくし、本屋さんのローカル本コーナーで「サカロジー」なる本を見つけて購入しました。
サカロジー―金沢の坂 (時鐘舎新書) (2007/04) 国本 昭二 商品詳細を見る |
坂というといわゆるスロープのことだと思っていましたが、こちらでは階段になっていても坂と呼んだりするのですね。
本書は「おあしす」に掲載されたエッセイを1冊にまとめたものとのことですが、全56章にわたって延々と金沢の坂が紹介されています。
「坂はその上にある小宇宙の序曲だ。そして、上と下の佇まいを変える魔性をはらむ。」なんていう言い回しにカッコイー!と同意したり、古い時代の文献から坂の由来をひもといたり、著者自身の記憶にある坂の描写があったりで、とてもお得で面白い1冊でした。
特に戦前戦中の金沢の風景が描写されている部分は、自分が生まれるずいぶん前の話で、しかも自分は他県から嫁いできているにも関わらず、郷愁が感じられて好きでした。
読みながらネットで坂の写真を探したり、はたまた過去に自分がその坂を歩いたことを思い出したり、今度はこの坂近辺を散歩したいなあ、と妄想したりして楽しみました。
うん、読んでると卯辰山麓や小立野台地あたりをまた散歩したくなるのですが、生憎これからしばらくは暑そうで・・・おあずけになりそうです。
金沢に旅行に来られる方で、ガイドブックに出ていないコアな金沢の風景が見たいなーという方にもおすすめです。
(いいのか?!)