読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

司馬遼太郎 「坂の上の雲(二)」

坂の上の雲」、2巻も読み終えました。
ますます面白い〜。

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)
(1999/01)
司馬 遼太郎

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日清戦争が起こります。
近代国家として生まれ変わってからまだ二十数年の小国・日本が、しのびよる列強の影におびえ、決死の覚悟で臨んだ戦争です。
この戦争の背景について甲午農民戦争があったということは何となく習っていましたが、今回初めてよく分かりました。
また、威海衛において、日本軍連合艦隊の司令長官である伊東祐亨が清国の北洋艦隊司令官・丁汝昌に降伏をすすめるために書状を送ったというくだり、いたく感動しました。

一方、正岡子規ですが、この人はどこまでも自分が大将でないと気が済まない性分で、なおかつ世界をわが目で見てみたいという野望もあり、従軍記者として戦場に赴きたいと言い出し、病身のため最初は断られ続けるものの、ほぼ戦争が終わるころになって許され、意気揚々と出かけます。
結果、病は重篤になり、本人も自分の余命を悟ります。
まあ、最初は「だからよせばよかったのに、あほやな」くらいに思いながら読んでいたのですが、子規が近代短歌・俳句に革命を起こそうと、文字通り命がけで奮戦するくだり、やはり感動しました。
この少し子供じみたところのある子規に対する、家族やまわりの人々 - 後輩の高浜虚子や友人の夏目漱石、上司である陸羯南(くがかつなん)ら - の優しいことに、また感動。

一方、秋山真之ですが、日清戦争後アメリカに赴き、観戦武官としてアメリカとスペインの戦争を見学します。
スポーツでもあるまいに戦争を見学とは・・・と思いましたが、先の日清戦争でも各国の観戦軍艦が見守っていたということでした。
さて、日清戦争では活躍の場がなかった真之も、その頭のよさ、物事の真髄を見抜く才能、文才から戦略家として成長を遂げます。

菅笠や蓑、アムール河畔の小石にまで歌を詠んでやり、世界を思う病床の子規を、アメリカの後イギリスに渡り帰国した真之が見舞う場面。
かつて「自分は二流の学者にしかなれぬ」と学問の道をあきらめて軍隊に入った真之と、短歌革新のために病床から奮闘する子規という今は違う道を歩く同郷の二人の運命に、これまた心を動かされました。

さて、もう一人の主人公の秋山好古ですが、日本の騎馬部隊の第一人者となっていますが、今のところ変人・・・?といった印象。
日清戦争での鬼神のような振る舞いや清国駐屯軍司令官として天津の租界にいた際に彼のファンが多かったというエピソードからそう思ったわけです。

日露戦争開戦まで秒読み・・・第3巻に続きます。
いっぱい書いちゃった。