読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

司馬遼太郎 「坂の上の雲(四)」

司馬遼太郎坂の上の雲(四)」読了。
三巻と比べるとややペースダウンぎみ。

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)
(1999/01)
司馬 遼太郎

商品詳細を見る

日露戦争である。
(↑司馬さんの文体がうつってます)

海軍では黄海海戦、陸軍は遼陽会戦、沙河会戦と凄絶な戦いが続きます。
海戦も凄まじいですが、陸軍の野戦の恐ろしさといったら、、
銃剣を持った生身の人間が(普通に2本の足で)敵陣に突撃し、迎え撃つ敵の砲弾によりばたばたと戦死。
弾にあたらず敵陣に達したものは、剣でもって敵と刺し殺しあう...。

特に陸軍第三軍による旅順総攻撃。
無策な参謀のために、何百何千という兵士が命を落とす、あり得ない状況。

日露戦争の英雄、乃木希典(まれすけ)。
第三軍司令官として旅順攻撃を指揮した人物ですが、私が知ったのは、夏目漱石の「こころ」。
「先生」が死を選ぶきっかけとなったのが、乃木大将の殉死だったので。
明治天皇崩御して、乃木将軍が殉死して、明治という時代が終焉を迎えたことが先生に死を決意させるわけですが、そのへんの理解がどうもピンときてなくて、、
意中の女性を巡って親友を裏切ったという罪の意識と乃木の殉死・・・のつながりがしっくりきてなかったので。
また機会があったら「こころ」を読み返して、このへん、考察してみよう。

話がそれましたが。
坂の上の雲」では何千の兵士を無駄死にされた張本人としてコキおろされていて、乃木って何者?!という感じになっています。
続きを読んだらまた印象が変わるかもしれないですね。
でも、戦争とはいえ、人命軽視はゆるせません。
人命軽視が許せないから戦争が許せないのか。

太平洋戦争以外の戦争について、ほとんど知識を持ち合わせていなかったので、非常に興味深く読んでいます。

※もう1人の日露戦争の英雄、東郷平八郎
旅順の軍港を封鎖していた海軍の連合艦隊司令官。
以前から何となく名前は知っていました。
(東郷の名を冠した外国のビールがあるんですよね)
この人は、なかなかかっこいいです。