百田尚樹 「風の中のマリア」
すすめられて読みました。
なる程、面白かった!
風の中のマリア (講談社文庫) (2011/07/15) 百田 尚樹 商品詳細を見る |
過度に擬人化してたり特別なエピソードを創作しているわけではなくて、オオスズメバチの生態を忠実になぞっているだけのストーリーですが、その生態というのが劇的なのです。
いやー、最後の方のキイロスズメバチの巣を襲撃する場面の激闘なんて、その迫力たるや「坂の上の雲」の203高地や奉天大会戦の場面を思い出しましたよ。
(DNAに忠実に闘っている虫の方が雑念がない分シビアなんですけど。)
作者の百田さんって、「永遠の0」のときもそうだったけど、手に汗にぎる空中戦を書くのが得意なのかな。
主人公のマリアや他のハチたちは色んなことを知ったり自分で考えたりしながら生きて闘っています。
読む方は知らず知らず現代に生きる人間の女性(や男性)の姿を重ね、比較しながら読んでしまうと思います。
作中では全く示唆されていないにもかかわらず。
虫だと思うと読むのに躊躇するかもしれませんが、3分の1ほども読むと夢中で読めると思います。
読み終わってからオオスズメバチを画像検索したら... 虫が苦手な人は読む前に見ない方がいいと思います、、