浅田次郎 「日輪の遺産」
じっくり時間をかけて読めそうなものを... と読み始め、
少し読んでは休み、読んでは休みして、読了まで1ヶ月以上かかってしまいました。
日輪の遺産 (講談社文庫) (1997/07/14) 浅田 次郎 商品詳細を見る |
終戦前後とバブル崩壊後、2つの時代を行き来しながら、マッカーサーの財宝をめぐる謎が明かされます。
財宝が見つかるか否か、という興味と、学徒動員の少女たちに何が起こったのか、という謎とが相まって、(休み休み読んでいたとはいえ)最後まで引き込まれっぱなしでした。
現代の日本で当時の謎を知ることになる丹羽、海老沢の人生と、終戦時の、真柴少佐、小泉中尉、”軍曹”、学徒動員の少女たちの人生が交わるときに、あの太平洋戦争が遠い歴史上の出来事ではなく、現在まで地続きの時間の中にあることに驚きます。
多少、出来すぎた感のある因縁話かもしれませんが、スケールが大きく、面白く、また戦争が当時の人々に落とした影について色々と考えさせられる1冊でした。