読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

千葉望 「陰暦暮らし」

著者の千葉望さんはNHK「ラジオビタミン」の陰暦ストの人です。
図書館で見つけて借りてきたのですが、「天文学」の棚にありましたよ。
先日「天地明察」を読んだところなので、意味は分かるんですが、本書は内容的に天文学でもないような... ^_^;


陰暦暮らし陰暦暮らし
(2007/06/21)
千葉望

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元々国語が好きなので、iPhoneにも陰暦アプリ入れてるくらいなんですが、この本を読みながら、ますます陰暦が気になるようになりました。

陰暦で考えるとしっくりくるもの... 茶道、着物、古典とか歌舞伎とか、田舎の暮らし、伝統的な年中行事。
全部全部私が興味ある分野、少ーしかじったことのある分野についてのお話だったので、すごく興味深いし読んでいて楽しい1冊でした。
楽しかったし、まだまだ知らないことが多くて、これから知ってゆく楽しみも増えました。
着物とか古典とかね。

ところで陰暦の世界では、大晦日には絶対に月は見えないし、ひな祭りは必ず三日月だし、七夕の月は暗くなる頃には西に傾いていないといけません。(一応補足すると月の満ち欠けに基づいた暦だから)
と考えると、陰暦ってすごく合理的だし、花鳥風月の中の「月」の存在感が増すし、「定型の美」みたいなものまで感じられます。
日本人の美意識って奥が深いです。

ところで本書は2005年から2006年に執筆されたエッセイなのですが、本の中の世界では東日本大震災も起こっておらず、中村勘三郎さんもご活躍中。
なんというか、パラレルワールドにでも迷い込んだような不思議な感覚でした。2005年の世界が愛おしく羨ましく見えたよ。