読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

宮尾登美子 「楊梅の熟れる頃」

久しぶりの更新です。
少し前になりますが、図書館で借りて読みました。
年季の入ったハードカバーは、まだ昭和の頃の第二版でした。


楊梅(やまもも)の熟れる頃 (新潮文庫)楊梅(やまもも)の熟れる頃 (新潮文庫)
(1986/03)
宮尾 登美子

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宮尾作品の魅力がぎゅっと詰まった13篇の短編集で、それぞれに土佐の風物と女性の一代記が織り込まれているという構成。
1編1篇がちょうど良い長さで読みやすいな、と思ったら、当時女性誌(「ミセス」だったかな?)で連載されたものが単行本になったみたいでした。成る程。ちょうどそんな分量だわ。

美しい文体はもちろん、運命に翻弄されながらもしっかりと生き抜く女性の姿、土佐の風物と、今までに読んできた宮尾作品と相まって、イメージがどんどん膨らみます。
「櫂」の冒頭に出てきたやまもも売り、「陽暉楼」の梅の鉢、慣れない農家の暮らしは「仁淀川」...

文庫はもう絶版なのでしょうか。1冊手元に置いておきたいのですが、、