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読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

宮尾登美子 「めぐる季節を生きて」

読んだ

宮尾登美子さんが亡くなられました。
今まで美しい物語を生み出してくださったことに、読者の一人として感謝の気持ちでいっぱいです。
まだ読んだことのないエッセイを図書館で見つけたので、借りてきて読みました。


めぐる季節を生きてめぐる季節を生きて
(2002/05)
宮尾 登美子

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「女のこよみ」は昭和60年から61年にかけて「家の光」(農協から出てる?雑誌)に連載されたエッセイをまとめたもの。
最初の結婚生活での農村の暮らしを回顧したもので、戦中から戦後間もないころの暮らしぶりを描いた貴重な記録でもあります。
(自伝的小説では「仁淀川」のころにあたります。)
とにかくこのころの農家っていうのは何でも自分たちで工夫して生み出すし、すごく物を大切にして、何度も再利用しているようすについて、(知ってはいましたが、)生き生きとした筆致で描かれてて目に浮かぶようです。

「女のあしおと」は雑誌など色んなところに寄稿した文章が集められていて、こちらも一連の自伝的小説や「陽暉楼」、「寒椿」、去年読んだ「楊梅の熟れる頃」の舞台をなぞるような懐かしさでした。

「花のきもの」は雑誌「マダム」に昭和57年から58年まで連載された、着物の柄にまつわる回想録。
幼少時の暮らしや思春期のこと、満州での辛い経験と引き揚げ、農村での暮らし等々、今までに読んだ宮尾作品の世界と繋がっていて、ページをめくるのが楽しかったです。
もちろん昔のきもの事情が垣間見られるのも楽しかったです。