読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

潮博恵 「古都のオーケストラ、世界へ! ──『オーケストラ・アンサンブル金沢』がひらく地方文化の未来」

去年出版されて以来、気になっていた本です。


古都のオーケストラ、世界へ! ──「オーケストラ・アンサンブル金沢」がひらく地方文化の未来古都のオーケストラ、世界へ! ──「オーケストラ・アンサンブル金沢」がひらく地方文化の未来
(2014/09/12)
潮博恵

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図書館で借りて読みました。
少なくとも年に1、2回、多い年はもっと聞きに行っているオーケストラ・アンサンブル金沢についての綿密な取材をもとに書かれている本です。

金沢に住み始める前はアンサンブル金沢のこともよく知らなかったので、オーケストラ創設期のこととか初めて知ったことが多くてとても興味深かったです。
駅前に県立音楽堂ができたのと、金沢に嫁いできたのがほぼ同時期だったという、、音楽堂がない駅前なんて、ちょっと想像できないんだけれど。
しかも、ちょいちょい聞きに行くようになったのが井上道義さんが音楽監督になられてからだし。
本書の前半は、80年代から現在にいたる金沢の現代史としても読み応えがありました。

そして後半は運営の話、特に地域でのオーケストラの役割とか財政的なこととかは、納税者として他人事ではなく気にかけていかねばならぬ話題ですよね。難しいけど。
品物やサービスにかけるお金は節約できるけれども、文化とか技術とかの場合は、いちど廃れると復活させるのが難しい面もあるので、多少の出費は必要な気がしてきました。最近。
伝統工芸とか伝統芸能とかも同じですよね。