読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

シネマ歌舞伎 「大江戸りびんぐでっど」

月イチ歌舞伎で「大江戸りびんぐでっど」!
地元の映画館での上映はないものの、ちょうどその時期に上京する用事があったので、見ることができました。

宮藤官九郎さんの作・演出による本作は、くさや汁を浴びた死人が"存鼻(ぞんび)"になって生き返る、ぞんびの派遣会社の話です。
と、さらっと書いて大丈夫なんだろうか、、


テンポよくて面白くて、歌舞伎座で上演された2009年当時すごくタイムリーだった派遣の話だし(私が派遣社員やってた)、勘三郎さんにも三津五郎さんにも小山三さんにも会えたし。
染さん七さん綺麗だし。勘九郎さん(当時勘太郎さん)の肩から二の腕かっこよかったし。


クドカンや役者たちが高みから「ぞんび」の「はけん」を見下して笑い者にしているようで不愉快、というレビューを見つけました。
私が感じたことは違ってて、クドカンとかはむしろ「ぞんび」に共感している立場なんじゃないかなと。
安定した立場は約束されないとことか、批判にさらされるときも個人で受けないといけない厳しさとか。
ぞんびにして見れば「はけんだはけんだオイラははけんだ」意気揚々と踊り出すとこなんかはスカッとしていいじゃないか。したたかでいいじゃないか。
弱い立場の人(ぞんび)は、他人に勇気や感動を与えるために存在するわけじゃなし、グロくてもいいじゃないか。
半助が実は... というのはその辺で見る側に「あなただって実は」と投げかけたかったんじゃないかな。
違うかな。