読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

二兎社公演 「書く女」能登演劇堂にて

 

黒木華さんのファンです。

大好きな宮尾登美子さんの小説を映像化するなら、今は黒木さんがいいなあとよく妄想します。
「小さいおうち」もそうだったけど、古風で、透明感があって、かつ情熱を秘めた佇まいが素敵です。
舟を編む」で初めてみたとき、なぜか梨園のお嬢様なのかと思いました(^_^;)
 
そんな黒木さんのお芝居を石川県内で見られる、しかも土曜日ということで、さっそくチケットを申し込みました。
金沢駅からの観劇バス付きです。
 
観劇バスは往復3500円。立派な大型バスでした。県外からのお客様もいらして、満員で出発しました。
 
ここで一つ、分かったこと。観劇バスの車内は飲食禁止だし、開演の1時間前には会場に着いてるので、お昼は現地で好きなものを買って食べるべし‼︎
 
会場ロビーではお弁当やパンはもちろん、特産の牡蠣料理やらお餅やらを売っていて、これがまた全部食べたいくらいに美味しそうでした。誘惑に抗えず、お土産にパンを買いました。
 
さて、そんなお芝居の感想も少し。
 
幕が開くと、坂が多く入り組んだ本郷の路地(以前、一葉の井戸を見ようとさまよって、結局たどり着けなかった)が、いくつもの階段で再現されていて、人々が行き交います。
黒木さん演じる夏子(樋口一葉)は、書くことへの情熱を滾らせ、また若い女性ながら戸主として家を支える責任を負っています。
家を取り仕切るのは夏子の母で、割とガッツがあるというか、上昇志向が強いというか、
そして、そんな家の中の仕事を一手に引き受け、縫い物の仕事などもこなしつつ、夏子を支え続けます。
樋口家はこの女3人が貧乏に耐え、肩を寄せ合いながら必死に暮らしています。
 
一葉の小説が雑誌に載るようになって、若い作家たちが出入りするようになった頃、ようやくキラキラ時代を迎えるんだけど、それ以外は薄暗い部屋にポツンと火鉢があるだけのような家。
 
夏子の小説の師である半井桃水は、優しくて男前で、でもなぜだか決して女性を幸せにはしてくれない雰囲気が、、
演者は平岳大さんでした。
 
暗い闇の向こうから、一瞬きらっと輝いた、その光の美しさを切り取ったようなお芝居でした。
最後泣いてしまいましたよ。