読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

村上春樹 「海辺のカフカ(下)」

海辺のカフカ」下巻も読了しました。


海辺のカフカ (下) (新潮文庫)海辺のカフカ (下) (新潮文庫)
(2005/02/28)
村上 春樹

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面白かったです。
こんなの書いちゃって、バラバラ、とか、何が言いたいか分からん、とか、退屈、とかにならないだけでもすごいけど、引き込まれて、ぐいぐい読んでしまった。

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」と同じくらい好きになれそうな作品です。
初めて読んだのは16年前、「現代文学」の講義の課題でしたが、講義では大江健三郎の「万延元年のフットボール」と比較して、神話とか象徴としての(太った)女性とかの話題が出てました。
(あまりにも昔の話すぎて、よく覚えてません。。)
カフカ」のほうも同じ四国が舞台で、深い森の中の場面も出てきますし、共通項からひさびさに「万延元年のフットボール」のことを思い出しました。

ノルウェイの森」的な切なさもあり、喪失感もあり、初期の作品に登場していた「鼠」の気配もそこここに感じられました。

風の歌を聴け」って、20代前半のころは毎年夏に読み返すのが恒例だったのですが、ここ10年くらい読んでないや。。
久々に読んでみたくなりました。

話を「海辺のカフカ」に戻しますが、今の自分が一番身近に感じて好きだった人物は「ホシノちゃん」です。
下巻396ページの長い述懐にあるような「いろんな景色の見え方がずいぶん違ってきたみたいだ」「ずしっと心に沁みるんだ」「そういう気持ちを誰か、同じようなことがわかるやつと話せたらいいなとか思っちまうんだ」っていう心境。
なんか、共感しましたー。

明日「1Q84」を買いに行こうかな。
今、店頭に並んでるのか分かんないですけど、探してみますか。