読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

近藤史恵 「サクリファイス」

東京行きの電車の中で読みました。
自転車ロードレースのチームを舞台にしたスポーツ青春物の小説です。

サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)
(2010/01/28)
近藤 史恵

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なのに題名は「サクリファイス」。
犠牲(ぎせい)と訳すこともできますが、真っ先に浮かんだ訳語が生贄(いけにえ)。
儀式において神に捧げられる生贄・・・たくさんの血が流れれば流れるほどいい、と言っていたのは高校の社会科の先生だったかな?
おかげで、この本、買う前も買って読み始めてからも、ずうっと血の匂いが染み付いているような気がしてしょうがなかったです。

実際は、爽やかなスポーツの世界が描かれており、この本で初めて触れた自転車ロードレースの魅力を充分味わい、主人公の複雑な気持ちも「あー分かる。」と共感したりしながら楽しく読めました。
自分が1番になることよりも、誰かのアシスト役として力を発揮するほうが好きで、自由な気がする、と言った主人公のチカ。
それから、チームのエースやライバルたちとの群像劇としても面白く読めて・・・ラスト4分の1までは。

ラスト4分の1で血の匂いは一段と強くなり、事件の真相をめぐって二転三転するどんでん返しに釘付けになりました。

金沢駅を出発してしばらくしてから読み始め、結局、上越新幹線の中で読了。
あっという間です。
爽やかなレースシーンも楽しめたし、サスペンスとしても読みごたえ充分。
面白かったー。