読んだり食べたりした記録

旧ブログ「おやつ、読書・・・ときどきバレエのこと。」

北杜夫 「楡家の人びと」

少し読んでは中断し、中断してはまた読み始める。
いったい何ヶ月かけて読破したんだ... という。

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楡家の人びと 第3部 (新潮文庫 き 4-59)楡家の人びと 第3部 (新潮文庫 き 4-59)
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大正から昭和の終戦後までの長い年代記で登場人物も多いのに途切れ途切れに読んでるから、「あれ? この人誰と親子やったっけ?!」と混乱することもしばしば。

そして楡一族に普通の人がいない!
いや、それぞれ当人は自分のことをいたってマトモだと思っているようでしたが、ハタからみたらちょっと変わった人や困った人ばかり。
普通、小説といったら誰か一人くらいは当人の目線(自分はマトモ)で書かれるはずなんですけど、、誰かが辛い境遇にあって泣いたりしてる時に、読んでるほうはうわぁ〜ってその登場人物に感情移入したいのに、次の場面ではその当人がケロっとして可哀想自慢してたりする(笑
手放しで褒められる人はあまり出てこないけど、戦争が始まると却ってそれが一人一人の境遇を浮き彫りにしていて、それぞれの辛い運命がリアルに迫ってきました。

すべて読み終わってからWikipediaで「楡家の人びと」の項を読んで、やっと作者の北杜夫さん、その父で歌人斎藤茂吉、兄の斎藤茂太が登場人物の誰のモデルとなっていたのかを知りました。
知らずに読んでよかったです(「???」となる場面もありましたが)。
今度は誰が誰をモデルにしているかを念頭に置いて読み直してみたい、けど3冊は長い... と思います。